【医大生向け】予診・問診・カルテの書き方をまとめてみました。
どうも
「ストレッチマンの黄色いところが服で無く皮膚であり、彼が全裸であることを知り、衝撃を隠せない」
でお馴染みのタケットです。
僕がポリクリで、予診をした際に、先生から教えて下さったことや、実際にやってみて僕がこうした方が良かったかなぁって思ったことをまとめてみました。
あくまで学生向けなので、どのように話を聞いたら良いのかや、どのようにカルテを書いたら良いかがメインであり、診察や検査の方法などはあまり書いてませんのでご了承下さい。
予診の流れ
予診の際にカルテに書かないといけないことは、
①予診時診断⇒②予診記入者⇒③紹介者⇒④主訴⇒⑤現病歴⇒⑥既往歴⇒⑦輸血歴
⇒⑧家族歴⇒⑨職業⇒⑩嗜好:たばこ、酒⇒⑪アレルギーの有無⇒⑫身長・体重
⇒⑬食欲・睡眠⇒⑭便通⇒⑮PS(パフォーマンスステータス)⇒⑯内服薬
⇒⑰告知の有無
と結構多いです。
①~③までは、紹介状に書かれているので、それを書けば良いと思います。
④~⑰が、予診で聞かないといけないところです。
また、予診を取る前に、紹介状やカルテを見て、ある程度どのようなことを聞くべきなのか決めておくと良いと思います。
予診の聞き方
では、順を追って、患者さんとのコミュニケーションの取り方や、予診の聞き方を書いていこうと思います。
1.まず、挨拶。そして、本人確認のために、患者さんのお名前を聞く。
当たり前ですが、しっかりと挨拶をしましょう。
「こんにちは。~科の~と申します。よろしくお願いします。」
のような無難な挨拶が良いと思います。
そして、本人様かどうか調べるために、お名前を聞きましょう。
「すみませんが、ご確認のためにお名前を
おっしゃっていただいてもよろしいでしょうか」
などのように失礼の無いように聞くのが良いと思います。
2.最初はオープンクエッションで現病歴を聞く。
上記の④:主訴、⑤:現病歴を聞かないといけないのですが、
ここが一番大事です!!!
最初は、オープンクエッションで聞きましょう。
「今日は、どのようなことでいらっしゃったのですか?」
みたいな感じです。
5W1H(who,where,which,when,what,how)を使って聞きましょう。
いきなりクローズクエッションで聞くと、患者さんが医師に圧力をかけられてると感じてしまうかもしれませんし、患者さんの大事なお話を聞き逃すかも知れませんので、あまりオススメはしません。
また、
「どういったご用件で来られたのかご存じですか?」
「前の病院(かかりつけ医)では、どのように聞いてますか?」
のように聞いて、患者さん本人がどれくらい認識しているのか確認するのも良いと思います。
そして、オープンクエッションである程度聞いた後に、徐々にクローズクエッションで大事そうなところを重点的に聞いていきましょう。
例えば、痛みがあるという主訴ならば
[OPQRST]
Onset:発症様式
Palliative/Provocative:憎悪・寛解因子
Quality/Quantity:病状の性質・程度
Region/Radiation:場所・放散の有無
Severity/associated Symptom:程度・随伴症状
Time course:時間経過
など、オスキーや救急で学んだことを聞きましょう。
現病歴は、一番大事なところなので、予診の中では一番時間を使って、
詳しく、聞きこぼれがないように、丁寧に聞くのが大事だと思います。
3.既往歴から告知の有無までは、問診票を使って聞く。
上記の⑥既往歴から⑰告知の有無までは、
患者さんが問診票にすでに書いてくれている場合が多いです。
なので、問診票を使いながら、あまり時間をかけずに進めましょう。
(現病歴を聞く際に時間が掛かると思うので、ここで時間を巻きましょう。)
また、
「すみませんが、先ほど問診票に書いてもらったのですが、確認のために再びお聞きしてもよろしいでしょうか?」
などのように前置きしておくとベターだと思います。
以下⑥~⑰までどのように聞いたら良いか個別に書いていきます。
⑥既往歴:「どの」病気になったのか聞き、そして各々の病気が「いつ」発症し、「どこの病院」で治療したのかを聞きましょう。
⑦輸血歴:もしある場合は、「いつ」「どこで」輸血されたのか聞きましょう。
⑧家族歴:家族歴にも項目があって、ガンや、糖尿病や、結核や、高血圧など、いろいろあるのですが、一個ずつ聞くと時間が掛かりますし、患者さんの不安を煽るかもしれないので、二・三個ずつまとめて聞くと良いと思います。
「血の繋がったお家族さんの中で、ガンや糖尿病や結核になった方はいますか?」
のように聞くと良いと思います。
⑨職業:職業はプライベートな内容になるので
「差し支えなければ教えて頂けたら嬉しいのですが」
などのように前置きをすると良いと思います。
⑩嗜好:タバコは、「いつから」「一日に何本吸っているか」を聞き、
お酒は、「いつから」「一日にどれくらい飲んでいるか」を聞きましょう。
⑪アレルギーの有無: いきなり「アレルギーがありますか?」と聞いても、
患者さんには難しかったりするので、
「ご飯やお薬で、体がかゆくなったり、紅くなったり、ブツブツが出来たりしますか?」
のように聞いてあげると患者さんにとって分かりやすく良いと思います。
また、サプリメントでもアレルギー症状が起きるのか聞くのも大事なので、聞いておくと良いと思います。
⑫身長・体重:すでに問診票に書いてくれてることがほとんどであり、もう一回聞くと「さっき書いたのに」と患者さんが思ってしまうかもしれないので、問診票を見せながら「身長・体重は、これで間違いないでしょうか?」と聞くのが良いと思います。
⑬食欲・睡眠:「ご飯は食べれてますか?」「よく寝れてますか?」などなど、丁寧に聞いたら良いと思います。
また、食欲が無い場合は「体重減少」の有無や、どれくらい増減したのかを聞くと良いと思います。
⑭便通:便の「色」「形状」「かたさ」「薬で出るか」など詳しく聞きましょう。
例えば、「便が黒い」場合は、上部消化管の出血があるかも知れませんし、
「便意があっても便が少ししか出ない」場合は、しぶり腹を疑わないといけないかも知れませんし、便については詳しく聞きましょう。
⑮PS:以下の項目に従い、カルテに書きましょう。
0: まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。 1: 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行う ことができる。例:軽い家事、事務作業 2: 歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。 3: 限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。 4: まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。
⑯内服薬:問診票や、他科のカルテや、紹介状に書いてくれていることが多いので、
「飲んでいらっしゃるお薬は、こちらで合ってますか?」と二人で確認するのが良いと思います。
また、患者さんのお薬手帳を拝見できたら尚良いと思います。
また、なにのサプリメントを飲んでいるかを忘れずに聞きましょう。
⑰告知の有無:大事な話なので、「皆さんにお聞きしているのですが」などしっかり前置きをしてから聞きましょう。
ここまで聞けたら、一通りはおしまいです。
他にも聞きたいことや、聞きそびれたことを最後に聞きましょう。
カルテの書き方
人によって、患者さんのお話を聞きながらカルテを書く人もいますし、
患者さんのお話をメモ帳に書いてから、後でカルテに書く人もいますし、
どちらでも良いと思うのですが、僕は器用にカルテ書きながら予診をとることは出来ないと思ったので、メモ帳に箇条書きして、お話が終わった後に、カルテを書いてました。
①予診時診断~③紹介者までは、紹介状に書かれているので、それを書けば良いと思います。
⑥既往歴~⑰告知の有無までは、カルテの予診セットを開けば、
ある程度の形式があるので、そこに患者さんからお聞きした内容を書き込んでいけば大丈夫だと思います。
大事なのは、やはり⑤現病歴です。
本診察の先生が、すぐに理解して下さるように、
簡潔に、そして分かりやすく書かないといけません。
以下に、どういう風に書いたら良いかを書いていきます。
(ちなみに僕は毎回、上の先生から訂正されてたので、あまり良いことは書けてないと思います。)
- ある程度、紹介状や他科のカルテを参考にして書いておく
- 患者さんを主語にして書く
- 検査をしたと書くのではなく、エコーなのかCTなのかカメラなのかバリウムなのかを書く
- リスク因子があれば、明記する(食道ガンにおける喫煙など)
- 年度は、西暦を書く(昨年などの表記はダメ)
- 痛みがあれば、どのような痛みなのか具体的に書く
- なぜ検診を受けたのかや、なぜ病気があると分かったのかなど理由を書く
- 日数や場所などはできるだけ明記する。
などなどたくさんあります。
筋道立てて、今の経過に至るまでをしっかり書ければ大丈夫だと思います。
(僕はまだまだ勉強中なので偉そうなことは言えませんが。)
まとめ
このように予診のマニュアルみたいのを書かせていただいたのですが、
患者さんによって聞かないといけないことや、書かないといけないことは変わってくると思うので、あくまで患者さんに対して真摯に対応するのを前提にして頂けたら幸いです。
(いや、どこから目線やねん)
また、僕的に一番大切だと思うのは
「自信を持って接する」
事だと思います。
こちらの緊張や不安な気持ちが患者さんに伝わってしまうと、患者さんまでも不安な気持ちにさせてしまうかも知れません。
それだけは絶対にしてはいけないと思うんですよ。
なので、たとえ緊張していても、「自信をもって」「謎のドヤ顔で」「大きな声で」接するのが大事な気がします。
もし、このブログが誰かの参考になれば幸いです。
ではでは。